2014年12月のサービス開始以来、国内登録者数約3,600万人、スマホ決済可能箇所171万箇所、連携銀行数83行、サービス認知率82.3%とLINE社の中核事業まで成長しました。
これまでのロゴがリニューアルされたりと、7月末以降、順次ロゴの代替を行うなど攻めの姿勢でいなければ、この厳しい世界では生き残れないのかもしれません。
生き残りをかけた戦略のひとつが、8月から先行予約が開始された「Visa×LINE Payカード」です。
8月に先行予約が開始されるということで待っていましたが、発表されたのは8月30日とギリギリセーフといった感じです。
今回は、いままで発表されている内容をまとめつつ、どのようなメリット・デメリットがあるのか検証していきます。
Visa LINE Payカード検証
Visa LINE Payカードとは?
LINEPayとVisaが連携し、Visaブランドの提携クレジットカード「Visa LINE Payカード」を2019年中に導入すると1月頃に発表していました。
そして6月頃に、発行会社である株式会社オリエントコーポレーション(オリコ)とクレジットカードの発行に関して合意したことが発表されました。
このクレジットカードの特徴は、
- 年会費:初年度無料
- 年間1回以上のショッピング利用があれば次年度以降も無料
- 年間1回以上のショッピング利用がない場合は1,250円(税別)
- ポイント還元率:初年度3%
- 支払いと同時にLINEアカウントから決済通知が届く
- Visaのタッチ決済機能が利用できる
- LINE Payアカウントに紐付けるとチャージなしでコード支払い可
クレジットカードそのままで利用してもよし、LINEPayに連携してコード払いに利用してもよし、と自分に合った使い方ができそうです。
特に初年度は3%還元と、7月31日に終了するマイカラーポイントに「+3%」上乗せキャンペーンの代わりとなる還元率なので、還元率を増やしたいという方は発行したほうがお得です!
カード受付について
8月30日に「Visa 東京2020オリンピック限定 Visa LINE Payカード」の受付開始をお知らせする事前登録が開始しました。
なんとも回りくどい言い方ですが、要はこの先行案内に申込みしたとしても、ただ10月下旬以降に「カード申込み」の案内を届けてもらうための受付なので、この受付をしてもカードの申込みが完了するわけではありません!
オリンピック限定のカードを手に入れるには、10月以降にLINE公式アカウントから届く案内に沿って申込みをする必要があります。
さらに数量限定のカードということもあり、申し込み順で受付完了となっていくので案内が届いたら早めに申し込みをしたほうが確実です。
カードの発送は2020年1月を目処に順次発送予定となります。
【追記】
10月下旬以降にカード申込み開始と案内されていましたが10月最終日になって、
【Visa 東京2020オリンピック限定 Visa LINE Payカード申込み開始時期についてのお知らせ】
この度は先行案内にお申し込みいただきありがとうございました。 現在、準備に時間を要しており、申し込み開始時期が当初より遅れる見込みとなりました。
お待たせすることになり大変申し訳ございません。— LINE Pay公式アカウント (@linepay_jp) October 31, 2019
「申込み開始時期が当初より遅れる見込みとなりました。」という発表がありました。
正式に日程が決まれば改めてお知らせがあるようです。
国内の月間アクティブユーザー数が、2019年4~6月期は約490万人、7~9月は約286万人と落ち込んだ原因として、ばら撒きキャンペーンを実施しなかったことが要因なのは確実。
『ばら撒きによる一時的なユーザーのアクティブ化ではなく、LINE Payの様々な機能や資産を通じてサービスの充実化によるオーガニックな成長を実現』
という方針がLINE株式会社の決済資料に記載されてあって、「想定内ですよ」的な表現をしていますが赤字を82億円縮小しても、さらに多くの人に利用してもらうにはLINEPayのややこしさをどうにかしないとユーザーは戻ってこないのでは?と思ってしまう。
ユーザーへのばら撒きを抑えても、従業員報酬や外注費などの営業費用への投資があるので、これからどうやって巻き返していく予定なのか気になるところです。
Visa LINE Payカードは発行会社がオリエントコーポレーションなので、金銭面などで揉めているため延長…といったことなのでしょうか?
申込み開始の案内が発表され次第、追記したいと思います。
メリットは?
【Visa LINE Payカードのメリット!】
- 初年度3%還元、さらに還元上限がない!
- Visa加盟店で決済できる
- Visaのタッチ決済は、サインや暗証番号の入力が不要でレジにあるリーダーにカードをタッチするだけで支払いができる
- 支払いと同時にLINEアカウントに決済通知が届くので、不正利用があった際に気づくことができる
- LINEPayの決済に利用できる
- カード利用者向けのお得な特典も企画中
クレジットカードそのままの利用であれば、日本のみならず世界中のVisa加盟店で利用することができます。
LINE Payの欠点だった「クレジットカードが使えない」という不便さを、やっと解決することができます。
デメリットは?
【Visa LINE Payカードのデメリット!】
- 初年度以降の還元率が現状分からない(2年目以降は別途案内予定)
- 3%還元が「LINEポイント」であれば、LINEPayで利用するにはLINEポイント→LINEPay残高に交換するという手間が発生する
- 連携させたクレジットカードでは、LINEの友だちへの送金に利用できない
- お店または、オンラインショッピングなどの支払いのみ利用できる
- 3%還元が「LINEポイント」であれば、ANAマイラーの方であれば集中的に貯めることができると思っていたが…(後述)
8月1日から、いままでマイカラーの還元ポイントとして付与されていた「LINEポイント」が「LINEPayボーナス」に変更されました。
※【追記】11月1日から、「LINEPayボーナス」から「LINEポイント」に戻りました!
LINEポイントの付与であれば、陸マイラーさんも嬉しい!LINEスタンプをよく購入する人も嬉しい!手数料はかかっても出金したいという人も嬉しい!という状態だったのですが、LINEPayボーナスに変わることにより、頼っていたポイントがなくなり、さらに出金もできなくなり「LINEポイント」がもらえるほうがよかったという方もいらっしゃいます。
その不満を解消ためには、Visa LINE Payカードを利用することによって還元される3%還元(初年度)をLINEポイントで付与するという方法しかないのですが…。
※LINEPayボーナスから「LINEポイント」よる還元に変更されました!
期待はずれの「LINEPayボーナス」
今回の先行案内が発表されるまでは、「LINEポイント」で3%の還元を行うという説明だったのですが、ふたをあけてみると「LINEPayボーナス」での付与に変更されていました。
LINEPayでクレジットカードを利用したい人、LINEポイントがほしい人、多くの方がこのカードを発行することでお得になれるような仕様になっていて、このカードを持っていない状態でLINEPayを利用し続ける場合、8月1日以降LINEPayはすごい改悪されたと思うでしょうと以前コメントさせていただきましたが、LINEPayボーナスで付与されるのであれば話は別!
LINEポイント→ANAマイルに交換することもできない!LINEポイントでスタンプを購入できない!
これでVisa LINE Payカードを魅力的だと思うユーザー数は激減したことでしょう。
Twitterでも、
- ポイント制に戻してほしい
- ポイントで還元してくれた方がよかったな
- ボーナスはいらないからポイントが付くようにしてほしい
- LINEポイントに戻しません?
LINEPay公式アカウントにはこのような声が多数ありました。
ボーナス廃止してポイントと残高にまとめてくれませんか
ハッキリ言ってボーナス要らないんですよ
— HIDEKI SAITOU (齊藤 秀喜) (@_hideki_sait0u_) August 30, 2019
このツイートが、すべてな気がします。
LINEPayカードやQUICKPay+の支払いで利用できない「LINEPayボーナス」なんていらないのです。
ただ「LINEPayボーナス使えねえ」という多くの声が運営に届いたようで、現在利用できるように準備を進めているということですが、最初の発表で「LINEポイントで付与」と言っていただけにLINEポイント派の方は納得できないでしょうね。
まあ、PayPayもSoftBankユーザーやYahoo!プレミアム会員、Yahoo!JAPANカード所持といった一部のユーザーだけおいしい思いができるように還元率を設定しているので、それぞれそれなりの会員数を獲得でき、次のステップへと進み始めています。
関連記事:LINEスコアで個人情報を晒す危険性、LINEPayで最大5%還元を受取る方法
話が二転三転とし…
カード発表時は「LINEポイント」付与だったが、途中から「LINEPayボーナス」付与変わり、またしても「LINEポイント」付与に変更と、話が二転三転としている状態です。
以前であれば『やったー!LINEポイントに戻ったぞ!』と喜べる話なのですが、LINEのサービス内容悪化はどんどん進んでおり、多くの方が希望した「LINEポイント」に変更されたのに喜べないとはどういう意味かというと、
LINEポイントの一部交換サービスが終了するという衝撃的なニュースが発表されたのです!
陸マイラーの方が獲得したポイントをマイルに交換する方法はいくつかありますが、その中でも人気の高い交換ルートが「ソラチカルート」になります。
現在では、ポイントサイトで貯めたポイントをLINEポイントに交換する「LINEポイントルート」が注目されていますが、今回のLINEの発表によりLINEポイントを「メトロポイント」「JALマイレージバンク」に12/27 15時をもって交換することができなくなってしまいます。
LINEでスタンプを購入したい方には朗報となった「LINEポイント」への変更でしたが、陸マイラーの方からするともうこの「Visa×LINE Payクレジット」を発行する意味がないですよね。
現在LINEポイントを「LINEPay残高」へ交換することができますが、このサービスも12/31にをもって終了します。
サービス終了後は、引き続きLINEポイントをコード支払い・オンライン支払い(一部除く)・請求書支払いなどで利用することができます。
今後は「LINEPayカード」やQUICKPay+利用の際もLINEポイントが使えるようになり、
マイカラーの還元が「LINEポイント」に変わり、
Visa×LINEPayクレジットカードの還元も「LINEポイント」に変わり、
使いにくいと評判だったLINEPayボーナスではなく、「LINEポイント」に貯める・使うという機能を集めることになりそうです。
まとめ
LINEPayは、
7月31日は、コード決済で「+3%上乗せ」キャンペーンが終了!
11月1日からは、マイカラーの還元ポイントがLINEポイント→LINEPayボーナス→LINEポイントに変更!
「Visa LINE Payカード」は、
初年度、3%還元!
3%還元は「LINE Payボーナス」で付与!
いままでと同じレベルのサービスを求めるのであれば、「Visa LINE Payカード」の発行は必須だということが分かっていただけたと思います。
LINEPayはもうダメだ…とPayPayに変更したとしても結局はSoftBankユーザー・ワイモバイルユーザー・Yahoo!プレミアム会員のみ優遇されている状態ですので、その条件に合っていればラッキー、それ以外の場合は自分がその条件に合わせるしかお得に利用することができない状態までスマホ決済サービスは進んでしまっています。
いままでは、還元率が高い、セキュリティがしっかりしている、利用しやすいなどの条件でユーザー側がスマホ決済サービスを選んできましたが、ここ最近は「この条件をクリアした人には最大20%還元」という感じにスマホ決済サービス側がユーザーを厳選するようになってきました。
100億円キャンペーンや20%還元とスマホ決済業界を盛り上げてきたLINEPayやPayPayですが、いつまでもお金をばら撒いているわけにはいきませんもんね。
先にユーザーに投資した分、クレジットカードを発行してもらったり、携帯会社を乗り換えてもらったり、有料会員登録してもらったりと、還元率に差をつけることによってそれぞれの利用者を増やしています。
私も「Visa LINE Payカード」の事前予約をしようと思うので、またその辺りも記事にしていきたいと思います。
関連記事:LINE Pay(ラインペイ)の危険性と評判、注意するポイントについて